48歳からのセミリタイア日記

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読書 「悲しみの収穫 ウクライナ大飢饉」

 

こんにちは

 

世間のみなさまは、4連休をいかがお過ごしになられましたか。

Go to キャンペーンを使って旅行に行かれました?

福岡の方は連休中天気が良くなく、雨が降る時間帯が多かったです。

こんなときには外に出るよりも家で読書するに限ります。

 

今回私が読んだ本は、1930年代に旧ソ連で起こった大飢饉について書かれた

悲しみの収穫 ウクライナ大飢饉

です。

 

 

この本はイギリス生まれのソ連史研究家が書き、日本語に翻訳されたものです。

図書館で借りてきました。

 

なぜこの本を読もうと思ったのか。

以前にスターリン時代のウクライナ飢饉についての解説を簡単に見聞きしたことがあるのですが、その解説内容が本当かどうか知りたかったのです。

確かNHKだったと思うのですが解説で、

ウクライナで起こった飢饉は、当時の旧ソ連が工業化推進のための外貨獲得手段として穀物を過剰に輸出してしまったため、国内で食料として出回る穀物が不足し数百万人の農民が餓死する結果となった

と。

 

ここで不思議に思ったんですよね。

都市の労働者が飢えるならともかく、なんで生産地である農村の住民が飢えて死なないといけないのか。

日本の終戦後でも、飢えていたのは都市住民で農村は比較的食べれていましたよね。

ずっと疑問だったのですが、この本に実に詳しく書かれていました。

ページ数が600ページ以上という分厚い本なので読み通すのは時間かかりましたが。

 

 

 

本では1917年のロシア革命による帝政の打倒と共産党政権の成立、そしてそこからたどるウクライナの運命について描かれていきます。

ウクライナは、帝政ロシア時代、そして旧ソ連時代はロシアに併合されなかば植民地となっており、ソ連崩壊後にやっと独立国家となりましたが未だにクリミア半島を侵略されたりとロシアの干渉が止んでいません。

そのウクライナに対して、共産革命後の旧ソ連指導部がどういう政策を採っていたのか。

一貫していたのは、ウクライナの「ロシア化」とウクライナ人に対する抑圧。

当然ウクライナ人は抵抗します。

対してソ連指導者のレーニンとその後継者たるスターリンは、ウクライナ人、特に農民への弾圧を強めていきます。

作中では、ナチスドイツとユダヤ人スターリンと農民、との関係に相似性があると述べられていました。

つまりスターリンにとってのウクライナ農民は、ヒトラーにとってのユダヤ人と同様の対象だったようです。

 

当時のウクライナは人口の大部分が農民でした。

彼らを共産化するために農民のなかから「人民の敵」を作り出していき、その犠牲となったのが裕福な農民と認定された人たちでした。

裕福な農民「富農」は、帝政時代の貴族同様、貧しい農民を雇って大量の農作物を生産し余剰農作物を搾取する「資産家層」として標的になったんです。

共産主義は「働かざる者食うべからず」で不労所得を最も嫌いますから。

標的となった富農は殺されたりシベリアに追放され、残った農民は集団農場(コルホーズ)に参加するよう指示されます。

でも集団農場の実態は農民から土地と家畜を取り上げわずかな賃金で労働させるという酷いものでしたので、農民は「サボタージュ」、仕事さぼりで抵抗しました。

その結果として収穫高が激減、政府が計画する量の農作物を取り立てることができなくなってしまいます。

当時のソ連は計画経済で、農作物も政府が徴収する量があらかじめ計画で決まっていました。

計画を達成できない、それは農民のせい、連中は怠け者であり、どこかに穀物を隠してサボタージュしているに違いない、報復として農民からの徴発を強化する。

こうして共産党指導部は、次々と政府に都合の良い法令を作り、都市の共産党活動員を大挙動員してウクライナの農村に派遣、収穫量に対して非常に過大な割合の穀物を徴発していきます。 

1932年秋から1933年春にかけて共産党指導部からの数度に渡る指令により、ウクライナ農民から全ての食料が収奪されました。

これにより飢餓に陥った農民たちは口に入れられるあらゆるもので飢えを凌ごうとしましたが限界を迎えた人から餓死していき、ついには餓死者の人肉を食べる人まで現れたという凄惨さでした。

一部の農民は都市に出て食べ物を得ようとしたり、ウクライナから脱出しようと試みましたがそれらはほとんどが警察や軍隊に阻止され元の農村に追い返されました。

この期間にウクライナで餓死した農民は、約500万人に及び、東京23区人口の約半分。

余りにも数が多すぎて思考が追いつきません。

それだけたくさんの犠牲者が出ているので某半島国家だったら1000年恨みは忘れないとなりそうですが、私が見た限りではそこまでウクライナの反ロシア感情が高くない気がします。

ウクライナとロシアは隣国ですから、当事者だけに受け継がれている何かがあるのかもですね。

 

 

 

結局のところ、大飢饉はスターリンによるウクライナ農民を抹殺するための手段として用いられたものであり、農作物を輸出するためというのは全くの副次的な要素だったと言えます。

スターリンにとって、人命はチリほどの価値もなかったんでしょうね。

こんな独裁者と同じ時代に生まれなくて良かったと安堵している自分がいます。

 

NHKの解説ですが、目的の考察が間違っていたようです。

ロシア共産党に忖度しないといけない何かがあったんでしょうかね。

それにしても、共産主義って怖いです。

個人の財産私有を悪としていたんですよ。

こんなことやられるとセミリタイアなんて無理、一生働かされてしまいます。

日本でも「共産」という言葉を用いた政党がありますよね、警察の公安が常時監視しているようですが、正解です。

 

ではまた。

 

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