こんにちは
本日の記事は、安倍公房の小説「砂の女」を読んだ読書感想です。
あらすじは、砂丘に昆虫探しに来た学校教師の男性が、砂丘にある砂穴に建つ家に閉じ込められてしまうというもの。
なんとかして脱出を試みる男性、そしてもともと家に住んでいる女性、男性を砂穴に閉じ込めておこうとする部落の住人達、これらを登場人物として話は進んでいきます。
そしてついに男性は砂穴からの脱出を果たしたが・・・
これ以上はネタバレになりますので。
「砂の女」は昭和37年に出版され、20数か国語に翻訳されたらしいです。
「20世紀日本文学の古典と目されるようになった」(解説より)とのこと。
確かに、自分が生まれるより前に書かれた小説とは思えない臨場感があったんですよね。
時代背景があまり関係ないシチュエーションだったせいかも。
でもこの小説の時代には無かったものが今はあります。
スマホや携帯電話などなど。
もし私が主人公男性のように砂穴に閉じ込められたとして、果たして外部に救援を求めることが可能だろうかと思ったんですよね。
電波さえ届けば外部連絡が可能なんでしょうけど、部落の住人達に悪意があれば砂穴には携帯電波が届かない対策をしていそう。
そうなると外部との連絡手段が断たれるわけで、主人公男性同様、閉じ込められてしまってもなすすべがないんだろうなあ。
読み進めるうちに、絶望感に似た感情が沸き上がってきました。
そしてなんだか口の中が砂でしゃりしゃりしてきたような。
いや、間違いなく気のせいなんですけどね、臨場感っていうんですか、なんだか小説に入りこんでしまったようで。
どんな結末を迎えるのか興味が尽きず、最後まで一気に読んでしまいました。
実際どんな結末を迎えるのかは、読者の方々もお読みになってお確かめください。
私は安倍公房氏の小説を読んだのは初めてなのですが、他の作品も読んでみたくなりました。
ブックオフ等で安く売っていると思うので探してみます。
ではまた。
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