こんにちは
先日、芥川賞作家である西村賢太さんがお亡くなりになりました。
1967年らしく、私より2つ年上の54歳。
早すぎる訃報。
ご冥福をお祈り申し上げます。
私、恥ずかしながら西村さんの小説を読んだことが無かったのです。
この機会に読んでみようかと。
図書館に単行本があったので借りてみました。
簡単なあらすじとしては、中学を出てから日雇いでその日暮らしの生計を立てている主人公と、ある現場で仲良くなった同僚とのお話。
読み進めていくにつれ、この小説は作者の自伝なんだろうなあと思わされます。
主人公の名前が作者に似ているし。
とにかくこの主人公、自堕落というか良く言えばすごく個性的。
全編にわたり、昨今の小奇麗だったり意識高かったりする界隈とはまるで違う、泥臭い生活が描かれています。
というか、最初のページでまずボディブロー入れられましたけどね。
男性の朝に良く起きがちな生理現象を思いっきり描写しているし。
流石、作者が芥川賞受賞時のインタビューで、「そろそろ風俗に行こうかと思っていた」と発言しただけのことはあります。
読んでいる間じゅう、ボクサーにがつんがつんと打たれるかのような衝撃を覚えながらもなんとか読了。
とにかく真っすぐじゃないエネルギーをたくさん浴びることのできる怪作だと私は評価します。
単行本には「苦役列車」のほかに「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」という短編が収録されていました。
こちらはもっと手短に作者の近況を綴ったものかな。
「苦役列車」は、普通の小説に飽きてしまったという読書家の方にはぜひ読んでいただきたいですね。
ではまた。
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