こんにちは
中国から面白いニュースが飛び込んできました。
中国ってとんでもニュースが多いからなあと笑って済ませられないと感じたので紹介しながら問題点を見ていきます。
中国 5次請けの殺し屋 報酬安すぎて手抜きし事件発覚
どんなニュースかというと、殺人を依頼された「殺し屋」がその依頼を次々に下請けに出し、最終的に請け負った5次請けの殺し屋があまりの報酬の安さから手抜きをしようとして事件が発覚、依頼人と殺し屋全員が逮捕収監されたというもの。
問題はその下請け構造。
元請けから2次の下請け、さらにそこから3次4次と来て、最終的には5次請けまで行ったらしいです。
さらに依頼料のピンハネ具合がエグいと話題になっています。
中国の殺し屋のピンハネエグい。 pic.twitter.com/VZg74qMoMz
— テレス-YouTuber (@TLS_telles) October 28, 2019
元請けから2次請けの段階で半額。
そこからずっと下がっていって4次請けから5次請けもエグいピンハネぶり。
最初の依頼料からたったの5%まで減っています。
結局5次請けは、この依頼料でリスクの高い殺人をするのは割に合わないと、殺人をでっち上げることにしたそう。
でっち上げのためにターゲットに接触したことから全てがバレたらしいです。
日本でも多重下請けはよくある話
日本でもこの手の多重下請けはよくある話です。
例えば事故原発の復旧作業現場。
大元の発注者である東京電力。
1次下請けのゼネコンから2次3次4次の下請けとどんどん中間業者が入って、実際に作業する会社は6次7次になっている、なんて話も聞きます。
当然ながら中間業者が報酬を中抜きするわけで、現場の作業員の日当はかなり抑えられたものになっているはずです。
こんなのは、せめてゼネコンが直接作業員を雇えれば、実際に危険な作業に従事する現場作業員に報酬が還元されてまだ良しなんですけどね。
こういう形態、日本では昔からあったようです。
江戸時代から始まっていると言われる手配師とか。
メーカーと小売店の間に入っている問屋もそうですね。
最近聞いたところでは、観光バスを手配するだけで手数料を抜く業者とか。
これ全て、自分で実際に動くわけではなく請けたモノを他者に再度引き受けさせるだけ。
手数料をピンハネするシステムです。
そして、中間に業者が入れば入るだけピンハネされる金額も増えていきます。
多重下請けは確実にクオリティが下がる
多重下請けが問題なのは、その仕事のクオリティが確実に下がるということです。
中国の事件を見るまでもなく。
そりゃ、3000万円の仕事を150万円でやれと言われたら、経費や危険負担を考えるとその額ではまともにはできませんとなるでしょうね。
事故原発の作業員なんかも、東電が当初発注する金額に応じた報酬を貰えるならば、希望者が殺到するかもしれないのに。
それを中間業者が甘い汁を吸うだけ吸って低賃金で作業員を雇おうとするから質の高い人材が集まらないんじゃないでしょうかね。
まあ、もしかしたら発注者には多重下請けの認識がないかも。
1次下請けがその金額でやってくれているものとばかり思っていたら、知らないうちに多重下請けされて安い報酬で引き受けた低レベルの人が作業していた、とかありそうです。
派遣業界もある意味下請け?
どこの業界でも自分だけ楽して金儲けしたいと考える人がいて、いろいろヘンテコなルールを作ったりするんですよ。
ある意味派遣会社もそうですよね。
企業が派遣会社に発注する額から結構な割合を抜いて派遣社員に支払うんです。
ある派遣会社では、33%はマージンとしていただきますと説明会で言われました。
この金額が良心的なものかはわかりません。
これを派遣先が直接募集して働けたら33%のかなりの部分が働く人の懐に入るんですけど。
そうすると働く人のモチベーションも上がるでしょうし、現在より優秀な人材が集まるのではないですかね。
それでも派遣会社に依頼するのは、ピンハネされた後の給料で集まってくる程度の人材で済むような仕事しか任せないということかもしれませんが。
多重下請けを撲滅できるか
多重下請けって撲滅したほうがよいのは間違いないです。
ではどうやって。
ネットの力を借りるしかないですね。
要は元請けにもっと近いところで労働力を集めることができれば多重下請けにする必要がないです。
元請けに発信力がないので人を集めることができるところに依頼という構造になっているのでしょうから。
大元のところがネットで広く人材募集できるようになり、働きたい人がそこに簡単にアクセスできれば中間で搾取する者は必要なくなりますね。
ただそのシステムを作り上げ、それを広く周知するのが結局は難しいということでしょうか。
そう考えると派遣会社はよく考えられていますね。
現代の手配師ですから。
その御大将が政府にがっつり食い込んで甘い汁吸っている竹中平蔵ですなあ。
いやな話です。
ではまた。