こんにちは
少し前に金融庁が出した報告書のことを記事としてエントリーしました。
その後に正式に金融庁が報告書を出したのですが、思わぬ方向で炎上しているようです。
金融庁報告書 麻生氏が釈明
老後の資産形成を国民に促した金融庁の報告書で、生活費が30年間で約2千万円不足すると記したことについて、麻生太郎金融担当相は7日の会見で「(年金だけでは)あたかも赤字ではないかと表現したのは不適切だった」と述べた。
6月8日付朝日新聞デジタルより引用
あちゃー、不適切って言葉を言っちゃいましたか麻生さん。
不用意にそんな言葉を使うと次の見出しのようになっちゃいますよ。
麻生さん発言 参院選の最大争点
(金融庁の報告書で、老後の生活費が年金以外に30年間で約2千万円不足すると記たことについて)行政的な報告よりも、所管大臣であり、同時に副総理、財務大臣である麻生(太郎)さんが上から目線で、「だから2千万ためろよ」というようなご発言をされたのは、間違いない。大部分の方は2千万円をためられないと思う。どうしたらいいのか、ということに、思いを致すのが政治の役割だ。それが決定的に欠けているということが、この参院選の、もしかすると最大の争点かもしれない。
6月8日付朝日新聞デジタルより引用
金融庁報告書をじっくりと読み込んでみた
麻生さんの迂闊な発言により、野党に付け込む隙を与えてしまったようです。
参院選が間近なのに争点を作っちゃいましたね。
でも今回の報告書、野党が吠えているように老後2000万円足りないって政府が表明したことが悪いのでしょうか。
ここは報告書をじっくりと読み込む必要があると思います。
金融庁の報告書のリンクはすぐに見つかりました。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf
報告書を読むと確かにありましたね。
「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円」
「まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円」
これで毎月5万円不足し、老後2000万円不足するんだーって炎上したんですね。
報告書を精査すると、高齢無職夫婦世帯の平均実支出が月額約26万円、それに対する平均実収入が月額約21万円。
だから毎月5万円不足するとのこと。
へー。
収入を考えずに月に26万円も使ったらそりゃ不足するんじゃないですか。
年金問題へ転嫁するのは変だ
だいたいこの報告書と年金制度を絡めて話をするのおかしいですよ。
特に国民年金を払わないとか払い戻せと言っている連中。
国民年金月16000円ほどを40年間払っただけで老後の生活を賄ってもらおうとか甘い事思っていないですよね?
満額払っても800万円前後ですよ。
それだけしか払っていないのに、まさか老後数十年の生活費を担保してくれとか言いませんよね。
貴方が国民年金保険料として支払うお金は、金融庁が算出した不足分2000万円にも及びませんから。
そもそも金融庁が言いたいことは全く違う
この報告書で金融庁が言いたいことは今回炎上していることではありません。
2000万円足りないかもということは単なる前振りです。
前振りをしたうえで、だから資産をしっかり運用することが大事ですよ、と言いたいだけです。
金融庁としては、せっかく老後資産を運用するためにつみたてNISAやiDeCoを作ったのに、目的としている方々が使ってくれないからアピールしたいって感じですよ。
騒いでいる連中はロクに金融庁の報告書を読んでいないでしょう。
全部読めばわかりますもの。
批判したいならせめて根拠となる文書くらいは全て読み込んでからにしていただきたいですね。
じゃないと薄っぺらーい物言いにしか聞こえませんよ、野党国会議員の皆様。
ではまた。
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