48歳からのセミリタイア日記

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年金を繰上げ受給と繰下げ受給 どちらが得かがっつり計算してみた

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こんにちは

 

私たちが本当に将来貰えるかどうかわかりませんが、一応高齢者になったら貰える筈の年金。

どのくらい貰えるのか気になるところです。

 

最近になって、政府がこんなPRをしています。

「年金を70歳まで受給を繰り下げると受給額が増えてお得です。」

ちなみに、巷ではむしろ繰り上げ受給したほうがお得だという話もあります。

 

本当にそうなのか、受給額のモデルを作ってシミュレーションしてみたいと思います。

 

 

なぜ検討しようと思ったのか 

そもそもなぜ検討しようと思ったのか。

以前の記事であるコメントをいただきました。

そのときの記事はこちら 

luna3018.hatenablog.jp

 

その記事で、しょうちゃんさんからこういうコメントをいただきました。 

年金を繰り下げ需給しても、それまで暮らしていける資金があるなら、そちらの方が良いかと思っているのですが、どうなんでしょうか?

 

確かに、繰り下げすると年金額が増えます。

繰り下げした年まで蓄えた資産で食べていけて、その後は受給額が増えた年金で逃げ切るという手もあります。

実際にどうなるのか、計算してみなければならないでしょう。

 

生活モデル設定

いくらもらえるのか人それぞれなので、一応生活モデルとしてこのあたりだろうというのを設定させてもらいます。

 

福岡市在住、独身、扶養家族なし、収入は年金のみ。

厚生年金+国民年金合計 月額13万円 年額156万円。

この生活モデルを元に計算します。

繰上げ繰下げ受給しない場合

70歳まで繰下げ受給した場合

60歳から繰上げ受給した場合

この3パターンでそれぞれ見てみましょう。

なお、健康保険料、介護保険料はそれぞれ市町村や都道府県で異なります。

この生活モデルでは住民税、健康保険料、介護保険料は福岡市を適用します。

 

 

 

繰上げ繰下げなし 65歳から受給の場合

年金受給額 年156万円

所得税   年金控除120万円 基礎控除38万円 社会保険料控除33153円

      控除が受給額を上回るため非課税

住民税   年金控除120万円 基礎控除33万円 社会保険料控除33153円 

      控除が受給額を上回るため所得割は非課税

      均等割 5500

      住民税額 5500円

健康保険料 所得割 30000×10.77%=3231

      均等割世帯割 5割軽減 59845×0.5=29922

      合計 33153円

介護保険料 第3段階 54700円 

差引受給額 約146万円

 

年金受給繰下げ 70歳から受給の場合

年金繰下げ受給すると一月あたり0.7% 増額されます。

70歳までの繰り下げでは42%受給額が増加。

年金受取額 156×142%=年221.52万円

所得税   年金控除120万円 基礎控除38万円 社会保険料控除213867円

      (2215200-1793867)×所得税率5.105%=21492

      所得税額 21400円

住民税   年金控除120万円 基礎控除33万円 社会保険料控除213867円

      所得割(2215200-1793867)×市民税率10%=42100

      均等割 5500

      住民税額 47600円

健康保険料 所得割 670200×10.77%=72180

      均等割世帯割 軽減なし 59845

      合計 132025円

介護保険料 第6段階 80226円

差引受給額 約193万円

 

年金受給繰上げ 60歳から受給の場合

年金繰上げ受給すると一月あたり 0.5%減額されます。

60歳からの繰上げで30%受取額が減少

年金受取額 156×70%=109.2万円

この場合は64歳までと65歳からで年金控除額が変わります。

64歳まで70万円、65歳から120万円。

それで2つに分けて計算します。

 

60~64歳 

所得税   年金控除70万円 基礎控除38万円 社会保険料控除45746円

      控除が受給額を上回るため非課税

住民税   年金控除70万円 基礎控除33万円  社会保険料控除45746円

      所得割(1092000-1075746)×所得税率5.105%=829

      均等割 5500

      住民税額 6300円

健康保険料 所得割62000×13.55%=8401

      均等割世帯割 5割軽減 74690×0.5=37345

      合計 45746円

介護保険料 健康保険料に含まれる

差引受給額 約104万円

 

65歳から

所得税   年金控除120万円 基礎控除38万円

      控除が受給額を上回るため非課税

住民税   年金控除120万円 基礎控除33万円

      控除が受給額を上回るため非課税

健康保険料 所得割 0

      均等割世帯割 7割軽減 59845×0.3=17953

      合計 17953円

介護保険料 第2段階 47406円

差引受給額 約103万円

 

 

 

シミュレーション結果を比べてみる

長々とわかりにくい数字を羅列したのでここでまとめてみましょう。

繰上げ繰り下げしない場合、65歳から約146万円。

繰上げした場合、60歳から64歳まで約104万円、65歳からは約103万円。

繰下げした場合、70歳から約193万円。

繰上げした場合で65歳からの額が減っているのは介護保険料のせい。

 

65歳から受給する場合と70歳まで繰下げした場合の年額の差が約47万円

一方、繰下げした手取り収入のマイナス分は5年間で735万円

65歳から70歳まで5年分の健康保険や介護保険料は、繰下げして年金がなくても支払わないといけないのでもっとマイナスが開きます。

純粋な手取り収入で15年、5年分の保険料を考えたらマイナス分を取り返すのにもっとかかります。

85歳以上まで生きていればよいですけどねえ。

 

また、60歳から繰上げした場合と70歳まで繰り下げした場合の年額の差が約89万円

一方、繰下げした手取り収入のマイナス分は10年間で1035万円

60歳から70歳まで10年分の健康保険や介護保険料は繰下げして年金を貰わなくても支払わないといけないので、もっとマイナスが開きます。

こちらはマイナス分を取り返すのに12年ほどかかります。

 

60歳から繰上げ受給する場合と65歳から受給する場合の年額の差が約42万円

一方、繰上げしなかった手取り収入のマイナス分は5年間で530万円

こちらもマイナス分を取り返すのに12年ほどかかります。

65歳からだと77歳ですね。

これなら追いつけそうです。

そして77歳からあとは、65歳受給開始のほうが受け取りが断然多いので有利です。

 

なぜ繰下げ受給の手取り金額が少なくなるのか

こうして見た場合に、繰下げ受給したときの手取り金額が意外に少なくなることに驚きませんか。

これは、税金が課税されることと、介護保険料や健康保険料が増額されることが大きいです。

せっかく貰うのを遅らせて受給額を増やしたのに、税金や保険料で持っていかれるのは馬鹿馬鹿しいですね。

このあたり、国が仕掛けた罠ですよ。

 

さらに、遅らせた分を取り返す前に亡くなってしまうかもしれませんし。

というか国としては年金を貰う前に死んでくれ、と思っているでしょう。

払うものを払わずに済めば財政が少しでも楽になりますからね。

我々か弱い個人としては、繰下げ受給はしないということで抵抗するしかなさそうです。

 

 

 

結局長生きできるかどうか

ここまで細々&長々と書いてきました。

結局、繰下げするなら85歳以上まで長生きできるか。

繰上げするなら77歳までに亡くなるか。

ここが損益の分岐点のようです。

 

人の寿命なんてそのときになってみないとわかりません。

長生きできなければそれはそれ。

年金を長寿保険として見た場合、長生きリスクを考えると繰下げしたほうがいいかもしれません。

 

男性だと85歳まで生きるかどうか怪しいですね。

私は不健康な生活を送っているので繰下げはしないほうが良いようです。

逆に女性は平均寿命が87歳を超える昨今、70歳までの生活資金があるならば年金を繰下げて受給したほうがあとあと良いかもしれません。

 

まとめると

年金を繰下げると受給開始後15年以上長生きすればお得

年金繰上げは長生きすると損

ということですね。

 

ではまた。

 

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