こんにちは
猫好きな私が一番印象に残っている猫さんのお話です。
前々回のお話
前回のお話
今回はその3、最終回です。
※アイキャッチ画像は近所の猫を撮影したもので、このお話の猫ではございません。
母と話をする猫さん
あるとき、私は実家に帰省していました。
で、母を買い物に連れて行く用事ができたので母と一緒に家の外に出たのです。
車のほうに歩いていこうとすると、少し離れたところを猫さんが歩いていました。
私たちから見て、離れていく感じ。
猫さんは私たちに気づいている様子はありません。
母が猫さんに声をかけます。
と、猫さん振り返りました。
2秒か3秒くらいでしょうか、私たちの方をジッと見ていましたが、クルッと向き直るとタッタッタとこちらのほうに戻ってきたのです。
母が、「どうしたの」と声をかけると猫さん、ミャーミャーミャーと鳴きます。
また母が猫さんに話かけると、話し終わってから猫さんがミャーミャーミャーと鳴きます。
また母が話します。
母が話し終わると猫さんミャーミャーミャーと鳴きます。
うは、母と猫さん会話している。
ていうか、猫さん何か母に伝えたいことあるのかな。
鳴き声に必死さが混じっているような。
何回かのやり取りのあと、猫さん去っていかれました。
「猫と話していたね」
「うーん、何か言いたいことがあったのかねえ」
「いやー、人間と猫の会話初めて見たわ」
「私も初めてやわ」
とその後猫さんのことで盛り上がりました。
でも、猫さんが私たちに訴えたかったこと、実はあったのです。
猫さんを見かけなくなった
私が猫さんを見かけたのはそのときが最後でした。
その後ぷっつりと見なくなったのです。
半年ほどの間に何回か帰省したのですが全く見ません。
冬場を挟んでいたのでまあ猫も外に出たくないのだろうと思っていたのですが暖かくなってきても見ません。
母に尋ねてみました。
「あの猫最近見る?」
「最近見なくなったねえ」
「えー」
「なんか、野良猫が最近増えてきたんよこの辺り。もしかしたら野良猫との縄張り争いに負けたんじゃないの?」
「そうなのかな」
「気の強そうな野良猫を最近このあたりで見かけるんよ」
そう言われると、帰る途中に茶トラでしっぽが短い猫を見かけたような。
なんか目つきが悪い猫だったのでまじまじとは見なかったのですが。
その後もずっと猫さんを見ることはありませんでした。
母とも、あの猫見ないね、あんな猫そういないね、と時々話題に出てくるくらいで月日が経っていきました。
虹の橋を渡っていった猫さん
つい最近帰省したとき、母がこう切り出しました。
「あんたあの猫のこと覚えてる?」
「覚えとるよ」
「あの猫だけどね、亡くなっていたそうだよ」
「えーー」
母が近所の方から聞いたそうです。
なんでも、車に轢かれて亡くなったのだとか。
時期的には私たちが最後に見てからしばらく経ったころとのこと。
我が家の近くで車の交通量が多い道は少し離れています。
あの利発そうな猫さんが自分から車に轢かれに行くかなあ。
ふと以前母が野良猫が増えたという話をしていたのを思い出しました。
もしかして猫さん、野良猫との縄張り争いをしていたのではないでしょうか。
車に轢かれたのも、野良猫に追っかけられているうちに車の走っている前に飛び出してしまったとか。
そう考えていくと、最後に見たときに母と会話していたのもなんか訳ありに思えてきます。
猫さん、母に訴えていたのではないのかな。
最近野良猫と争って大変なんです
奴の方が強くて太刀打ちできないんです
なんとかあの猫追っ払って
と、母に一生懸命アピールしていたのかも。
あくまで妄想です。
猫と話はできませんから。
でもね、そう思いたくなるくらいあのときのことは不思議と違和感なく思い出します。
今まで野良猫としか接したことがないせいか、あそこまでフレンドリーな猫さんと触れ合ったことはありませんでした。
でも猫さんはもう虹の橋を渡って行ってしまいました。
たとえ野良猫を全て捕まえて縄張りを確保しても、もう猫さんは帰ってきません。
猫カフェに行ったら猫さんみたいな子いるのでしょうか。
猫島にはいますかね。
自分が飼っていたわけでもないというのに、もう猫さんに会えないということがはっきりしてしまって、自分でも大げさと思うのですが猫ロス状態な私です。
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